株式買取請求権とは、M&Aに関する場合、事業譲渡、会社分割、合併等について株主総会の承認を得る際、反対株主が所有する株式を公正な価格で会社に買取を求めることができる権利のことである。
上記のM&A手法は会社の経営の根幹に関わり、株主の利益にも重大な影響を及ぼすものが多く、その実行には株主総会の承認を得る必要があるものの、反対株主が少数派であるならばこれを阻止できない。そこでその利益を守るため、会社法において株式買取請求権が認められている。
ただし公正価格の算出規則は特に設けられておらず、価格は会社と株主との協議によって決定される。協議がまとまらなければ法定で争うこととなる。
なお、この権利を行使するためには、株主総会以前にM&A反対の旨を会社に通知し、株主総会においても反対の意志を表示する必要がある。また承認後にM&Aが成立した際には、効力発生前日までに請求を行わなくてはならない。