役割を「つなぐ」だけではない、
事業を「つくる」価値を求めて。
社会人生活は、有限責任監査法人トーマツへの入社からスタート。ベンチャー企業向けの部署に所属し、主にベンチャー企業のIPO支援や監査業務を担当していました。11年間在籍し経験を重ねる中で、第三者的な視点での意見や提案だけでなく、より事業に深く関わり、直接的に価値を生み出すような仕事がしたいと考えるようになりました。「物事をどう動かすのか」という視点に興味を抱いたのは、ベンチャー企業がお客様だったことも影響していたかもしれません。企業が成長するにつれて、課題は複雑になり、専門的な知見がより一層求められます。監査という立場からは、そうした知見を持つスペシャリストを”つなぐ”役割は果たせるものの、それ以上に踏み込むことは難しいと感じていました。事業に関わる立場として「自分は果たしてどこまでできるのだろうか?」という葛藤を抱くようになり、グローウィン・パートナーズ(以下、GWP)への転職を決意しました。
当初は、ベンチャーの事業会社とGWPのどちらに進むべきか迷っていました。ただ、複数の企業で「事業会社の経験ないよね?」と言われまして。当時は「事業会社の経験がないことで、何か問題があるのだろうか」と疑問に感じていましたが、今振り返ると、第三者的な思考の癖がついていたのではないかと思います。その点、GWPでは、当事者意識とプロ意識、その両方を徹底的に教えていただけたと思っています。

当事者意識とプロ意識との往復で、
道を切り拓く、その過程も楽しめるように。
入社後は、まさにその「第三者意識からどう脱却するか」にずいぶん苦労しました。GWPでは「万事我事」という姿勢を大切にしているため「我が事になっていない」と佐野さん(CEO)や石原さん(COO)からご指摘をいただくことも多くありました。今になって思えば、監査法人という大きな組織で長く働いていたこともあり、提案や意見を出す際に「自分が変える」という意識が足りなかったのだと思います。どこかで「会社(誰か)がやってくれるだろう」と考えていた部分があったのかもなと。いまでも覚えておりますが、佐野さんとベンチャー企業への投資事業を新たに立ち上げようとさまざまな場所を巡りミーティングを行なっていた時のこと。佐野さんは私に対して、「安田はどんな爪痕を残して、どこまで自分事としてやっていくんだ?」と、何度も問い続けてくれました。そのおかげで、佐野さんがセットしたミーティングでも「自分がやるべきことは何か」「どうすれば事業を前に進められるか」と考えるようになり、少しずつ当事者意識が身についたと感じています。自分の影響範囲を一つひとつ意識させてもらえたことで、自分が大きなインパクトを与えることができるという実感も得られるようになりました。また、「とにかく動いてこい」という言葉もよくいただきましたね。分からなくても、まず動く。人を巻き込む。そうした、行動を起点とした基礎的な部分を足腰から鍛え直していただいたなと感謝しています。
現在所属しているエアークローゼットでは、予算管理、経理、人事、法務、総務、労務、内部監査など幅広い領域を見ながら模索を重ねる日々ですが、メンタリティとして立ち止まることがなくなりました。不確実性の高い世の中でも、挑戦そのものを楽しめるようになったのは、GWPでの経験が生きているのかなと感じますね。

攻めのバックオフィスとして、
ジェネラリストのスペシャリストを目指す。
GWPに転職したきっかけは「いつか事業会社で価値発揮するために成長したい」という想いがあったためでした。しかし、いつからか「自分の成長」を良い意味で意識しなくなっていることに気付きました。GWPで多様な経験を積む中で「お客様に貢献する形は一つではない」と感じるようになりました。そして気づいたのは、お客様や会社の成長こそが、自分自身の成長につながる、という実感でした。自己実現と会社の成長が重なり合っているような感覚、と言えばよいでしょうか。もちろん、自分のポジショニングやスキルを磨いていくことも大切だと思っています。一方で、スキルや経験を高めること以上に、「どこまで組織に貢献し、成果につなげられるか」を重視するようになりました。その方が、純粋に仕事を面白い、楽しいと感じられるようになったのです。最近では、人事も私の管掌範囲に加わり、会計士としてのキャリアをスタートした頃には、想像もしていませんでした。しかし、企業のステージが進む中で求められる役割や経営課題に応えていくには、自分自身の専門領域にとらわれず、何でもできるようになっていきたいと考えています。今後は、バランス感覚と専門性を両立しながら、「何でもできるジェネラリスト」であり続けたい。そのうえで、組織に貢献できる武器を持つスペシャリストでありたいと思っています。
これからは、バックオフィスの重要性や価値をGWPと一緒に盛り上げていけたらいいですね。バックオフィスは決して裏方ではなく、企業経営において極めて重要な役割を担っていると信じています。自分の組織がそのモデルケースになれるよう努力しつつ、GWPが「事業に貢献するバックオフィスの在り方」を示し続けていくことを楽しみにしています。
