Growth Session 顧客対談

Growth Interview
01

人と人とが関わり合い、
変化しながら、乗り越えたプロジェクト。
交わした言葉が、次なる成長を導いた。

二宮 光広×加藤 智紀

Growth Session
01

人と人とが関わり合い、
変化しながら、乗り越えたプロジェクト。
交わした言葉が、次なる成長を導いた。

「利他」を社是とし、人間として「何が正しいことか」を判断基準に、人や社会への貢献と社員一人ひとりの成長を目指すサンフロンティア不動産株式会社(以下、サンフロンティア)。従来の基幹システムのサポート終了を機に今回のご支援が始まり、非常に厳しい納期の中で様々な困難を乗り越えながら、無事にシステム刷新に成功した本案件。プロジェクトの中で築かれた、人と人との関係性にフォーカスしながらお話しいただきました。

Profile

サンフロンティア不動産株式会社
常務取締役 常務執行役員
二宮 光広 様
グローウィン・パートナーズ株式会社
執行役員 Accounting Tech部
加藤 智紀

八方塞がりの中、
全員の心に喝が入った。
風向きが変わった。

――まずは、プロジェクトの始まりから教えていただけますか。サンフロンティア様とは今回のプロジェクト以前から、お付き合いがあったと伺いました。

加藤 智紀
加藤

はい。本プロジェクトの開始前から約3年、サンフロンティア様のグループ会社の事業改善や業務改革、人事制度策定等でご一緒しており、二宮さんが管理本部長にご就任された際に、システム切り替えのご相談をいただいたのがきっかけです。初めて二宮さんにお会いした時は、とてもおおらかで豪快な方だという印象を受けましたね。

二宮 光広
二宮

私は現在管理本部長を務めていますが、元々は営業出身であり、本質は営業マンなんですよね。これまでに人事も担当しておりましたが、人事というのは「この人とこの会社で仕事したい」と候補者に思ってもらえるように、営業マインドをもって取り組むことが重要と考えています。一方で、営業職からキャリアをスタートしたこともあり、経理やシステム周りにはあまり明るいとは言い切れません。そのため、システム刷新の話を聞いたときは、「信頼出来る誰かの力をお借りしたい」というのが正直な気持ちでした。

――最初から順調なプロジェクトではなかったですか?

二宮 光広
二宮

大変でしたね。現場の意見も踏まえつつ、最も事業継続性の高い選択をした結果、現場が当初導入を検討していたシステムではなく、別のシステムを採用することになり、現場からは少なからず不安の声がありました。プロジェクト担当者もその思いを感じていたので、精神的に苦しい部分も多かったと思います。

加藤 智紀
加藤

製品選定には私も関わっておりましたので、その空気感は私たちにも伝わっていました。皆で議論して決めたことでも、誰かが責任を取らなくてはいけない。私たちコンサルに対しての意見も飛び交う中で、プロジェクトはマイナススタートかつ短納期という、なかなか厳しい状況でした。

二宮 光広
二宮

フォーメーションも複雑でしたね。弊社とGWPさん、システム会社と導入を担当する別会社の4社をまとめあげる必要があった。業務を抱えながらの並行対応で、現場にとって大きな負担でした。当然ですよね。今の仕事にさらに負荷がかかるわけですから。

加藤 智紀
加藤

タイムリミット、現場とのギャップと反感。社内にはフラストレーションが溜まって「もう一度別のシステムを検討しないか?」という気持ちもあったと思います。しかし仕切り直せば、数億円が無駄になる。前のシステムの保守切れも迫っており、延期もできない。完全に八方塞がりの状態でした。

二宮 光広
二宮

本当に、難しいプロジェクトをお願いしましたね。

―大規模なシステム導入は、様々な要因が絡みますから、一筋縄ではいかないことも多いですよね。ハードな案件だったと思いますが、結果的には成功し現在も無事に運用されています。何か風向きが変わった出来事があったのですか?

加藤 智紀
加藤

私は明確に覚えています。スケジュールの延期が許されない中、テストフェーズで進捗が思うように出ず、ゴールデン・ウィーク(GW)の頃にカットオーバーのタイミングについて議論になりました。GW中も業務対応が必要になり、経理の皆さんを集めて話し合いました。私がコンサルの立場として「二宮さんどうしますか?」と問いかけたところ、二宮さんが「やるしかないけど、どうする?」とチームに喝を入れました。

二宮 光広
二宮

やるしかないわけです。やってダメならしょうがない。あとは誰がそれを言うかです。ただし、”我関せず”は許さない。全員で背負う覚悟を持とう、と伝えました。

加藤 智紀
加藤

最初は皆さん沈黙していましたが、次第に「やりましょう」と勢いがつき、「やるしかないですよね」と現場の皆さんが一人ひとり口にしてくれました。その瞬間、「これは乗り越えたかもしれない」と感じました。

二宮 光広
二宮

皆、この状況を何とかしたいと思っていたのです。当社の従業員は、自分のことだけやっていればいいのではなく、常に「仲間のために」という想いを持っています。だから、誰かが責任を持って背中を押してあげれば良かっただけです。

加藤 智紀
加藤

正直、当時の私は9割方「厳しいだろう」と見ていました。コンサルタントとして、起こりうるシナリオと最悪の事態を想定して備えるのが仕事ですから、私は「延期しませんか?」と繰り返し提案していました。当時はすべての選択肢が悪い方へと進んでおり、延期しかないと判断していたのです。
ただ、プロジェクトの成功において勝負の分かれ目となるのは、役員の方々が本気でやり切る覚悟を組織に示し、現場が納得できる雰囲気を醸成できるかどうかに尽きると思います。現場を考えると迷いもあったと思いますが、二宮さんがその覚悟をメンバーに対してしっかりと言葉にしてくださった。
あのとき、私自身も背中を押された感覚がありました。「大丈夫、なんとかなる」と。ここまで覚悟を決めてくれているのだから、我々もやるしかないと腹を括れました。

二宮 光広
二宮

多少強引でも、動きながら修正すればいい、というスタンスでしたね。

加藤 智紀
加藤

そのとき、二宮さんから「テストが不十分な中でカットオーバーする以上、様々なことが起こるだろう。ただその分、GWPさんが張り付きでサポートに入ってくれないか」と打診がありまして。実際、何が起きても緊急対応を行いました。この判断と覚悟があったからこそ、プロジェクトは前進でき、最終的に成功に導くことができたのだと思います。

成功の先を見据え、
理屈だけじゃない部分を
どこまで呑み込めるか。

加藤 智紀
加藤

もう1つ、個人的に心に残っていることがあります。「清濁併せ呑む」という言葉を、二宮さんからいただきました。「清濁併せ呑む」という言葉は、異なる意見や課題も受け止めつつ、全体最適で前に進む姿勢として強く印象に残りました。その時は、チーム編成を悩んでいた時期でしたが、二宮さんからは「絶対にメンバーを変えてはいけない」と言われましたね。

二宮 光広
二宮

その時の話はよく覚えています。メンバーは皆、責任感を持って向き合っていましたから、変更するという選択肢は私の中にはありませんでした。たしかに、チーム内でコミュニケーションに課題があったことは事実ですが、メンバーを変えることはチームの士気が下がると考えました。様々な想いが交錯する中で、最終的には「責任を持ってやり切っていただくべきだ」と判断しました。

加藤 智紀
加藤

二宮さんは「絶対にメンバーは変えない。たとえ失敗しても、自分が責任を取るからやりきりなさい」と、チームに直接お話しされたと聞いて、衝撃を受けました。私たちコンサルタントはプロとして『プロジェクトを成功させる』というゴールを置いていましたが、二宮さんにとって、それはあくまで通過点。メンバー自身が、これからどう会社を支えていくかを考えたときに、「今のメンバーでやりきらないと意味がない」と考えていたのだと思います。

二宮 光広
二宮

チームメンバーには、「やり切った」という経験を持ってほしかったのです。これだけ大規模かつ難易度の高いシステム切り替えを短期間でやり遂げたという経験は、必ず自信になり、今後の人生とって大きな糧になると信じていましたから。

加藤 智紀
加藤

「良いことも悪いことも、いまの状況を受け止めながら、どうやって前に進むかを考えることが必要だ」と二宮さんがさらっとおっしゃったんです。当時の私には、その言葉の本当の意味を理解し切れませんでした。ギリギリの状況の中で、成功確率が1つ減ると考えていましたから。しかし、そこに一切の迷いがない二宮さんの姿に圧倒されました。人と仕事するときに、決意を持ってやっている。そんな二宮さんを後押ししたい、一蓮托生で走ろうと決めたのです。
私はあの経験を経て、自分自身も大きく変わったと実感しています。自身の事業運営でも似た局面があり、メンバーを変更すれば、確かにプロジェクトしてうまくいくかもしれない。でも、ふとあの時の状況や、二宮さんの言葉を思い出し、メンバーの挑戦を後押ししようと心から思えるようになりました。

プロジェクトはあくまで手段であり、人と人との関係性がうまく繋がっていないと、最終的には成功しません。「清濁併せ呑む」という言葉の意味が、徐々に私の中で腹落ちしていきました。理屈だけじゃなく、どこまで呑み込めるか。それが事業運営において、重要なのだと実感しています。

人の心を動かすコンサルタントを
次の世代へ。

―両社にとって大きな経験となり、加藤さんご自身の変化のきっかけにもなったのですね。お二人のお話からは、プロジェクトを共にしながら、人と人とが影響を与え合っているような印象を受けました。

加藤 智紀
加藤

それはやはり、二宮さんがそういう方だからだと思います。プロジェクト中に飛んだ喝がメンバーの心に響いたのも、日頃から丁寧に会話を重ね、一定の信頼関係があったからこそだと感じています。我々もお客様にしっかり入り込んで伴走するタイプなので、そのカルチャーがサンフロンティアさんと自然に合ったのかもしれませんね。

二宮 光広
二宮

加藤さんも、言うべきことをちゃんと伝えてくれましたね。お客様だからと遠慮するのではなく、「できていませんよ」とズバっと指摘してくれた。そのおかげで、私たちも重要な局面で正しく判断することができました。加えて、加藤さんは「御社がやってくれないから、できない可能性がある」ではなく、「できるために、こういうアプローチはどうですか?」と提案してくれました。“できない理由”にフォーカスせず、“できるための選択肢”を提示してくれる。まさに本当の意味でのコンサルティングだったと思います。

加藤 智紀
加藤

ありがとうございます。二宮さんの言葉は、人の心を動かしにいく力がありますよね。御社のカルチャーとしても、会社の中で未来の自分たちを信じて、「いま必要なことは何か」を着実に実行されていると感じます。

――最後に、これからのGWP、これからの加藤さんに期待することをお聞かせください。

二宮 光広
二宮

やはり、客観的な視点でズバズバと言ってくれるありがたさがありますね。
当社は「まずリーダーがやる」というカルチャーですし、私自身も深く入り込む必要がある。そんな時に、GWPさんが全体をちゃんと俯瞰的に見てくれている。このプロジェクトでも、私たちに入り込みながらも悪い方向に進んでいることは客観的かつ冷静に指摘してくれた。非常にありがたかったので、その立ち位置は今後も大事にしていただきたいですね。

あとは、これから加藤さんが真のコンサルタントをどれだけ育てられるかを楽しみにしています。時間も労力もかかり、簡単ではありませんが、それがリーダーの役割だと思うので、期待しています。

加藤 智紀
加藤

私も、まさに同じことを考えています。人の心を動かせるコンサルタントをどれだけ育てられるか。私が二宮さんから学ばせていただいたように、今度は私の言葉や行動で誰かが動き、「あのような存在になりたい」と思ってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。

二宮 光広
二宮

お互いに、「頑張っている人が輝ける会社」にしていかないといけませんね。

加藤 智紀
加藤

二宮さんのおっしゃる通りです。頑張る人が真に輝き、その努力が確実に報われる組織を全力で創り上げていきたいと思います。
本日は貴重なインタビューを、本当にありがとうございました。