カバヤ食品株式会社
マネジメントテーマ
独立を機に、短期間でERPシステムを稼働
カバヤ食品株式会社はグミや清涼菓子、チョコレート、玩具菓子などの製造・販売を手掛けています。2024年8月に日本カバヤ・オハヨーホールディングスグループから独立し、新たな経営体制を確立することで、飛躍の時期を迎えています。
案件概要
課題
- ・独立に伴う独自の人事管理システムの構築
- ・複数モジュールの同時リプレース
実施サービス
- ・新システム導入設計
- ・HRシステムリプレースにおけるプロジェクトマネジメント
- ・本番環境設定にかかる導入支援
効果
- ・事前の概要設計による円滑なシステムリプレース
- ・詳細な計算式および設定による工数削減
お話しを伺った方
- カバヤ食品株式会社
人事・総務本部 総務部 労務課 課長 - 吉岡 容子 様
- 人事・総務本部 総務部 労務課
- 吉岡 祥志 様
GWP
- HRコンサルティング部 マネージャー
- 野村 美貴
- コンサルタント
- 大内 絵梨子
- 肩書・経歴はインタビュー時のものです。(以下敬称略)
ご担当者の声
依頼背景
グループ全体の最大公約数的な仕組みから、自社独自の最適解へ
- 野村
今回、わずか5か月というタイトなスケジュールの中で勤怠や給与といった人事系の基幹業務システムを刷新されました。システム稼働までの経緯を振り返りつつ、グローウィン・パートナーズ(以下、GWP)がサポートさせていただいたプロジェクトについて、お伺いします。まず、元のシステムはどのように運用されていたのでしょうか。
- 吉岡容子
もともとは、グループ全体を一律で管理する目的で、人事労務システムを先行して導入していました。私たち二人もその構築に関わっていたのですが、システムの稼働開始と同時期にグループからの独立が決まり、独自のシステムを構築する必要がありました。

(カバヤ食品 吉岡容子氏)- 野村
グループ全体向けのシステムを構築した直後に、再び刷新を行い、しかも稼働まで5か月というのは極めて短期間での取り組みだったと思います。以前のシステムは約3,000名が使用する大規模なものですが、今回の独自システムではどのような課題や改善点を意識されたのでしょうか。
- 吉岡祥志
導入したばかりの大規模システムは、旧グループ全体を対象としていたため、一定の自由度はあったものの、運用面ではグループ全体の事情が優先される構造となっていました。そのため、単独会社としては十分に柔軟な運用ができず、もどかしさを感じる場面もありました。特にデータの連携や出力においては、必要な形式に整えるために自分たちの手でExcel等に加工する必要がありました。
- 大内
自社に最適化するためには、細部を手作業で補う部分もあったということですね。
- 吉岡祥志
その通りです。その結果、VBAによる個別対応が増加し、作業の属人化も懸念されました。
実務経験をもとに導き出した選定基準
- 野村
今回のシステム選定はどのようなプロセスで進められたのでしょうか。

(GWP 野村)- 吉岡容子
かなり細かいレベルで要件定義を行い、「この計算項目が実装できるか」など、すべての項目を洗い出して比較検討しました。日本の法制度への対応可否も判断基準として重要視していました。当初は大企業向けシステムを検討していましたが、最終的にはオービックビジネスコンサルタントの奉行VERPを候補に加えました。
- 大内
製品に対する印象はいかがでしたか。
- 吉岡容子
当初は小規模会社向けのイメージを持っていましたが、実際に比較してみるとほかのシステムに劣らず、UI(ユーザーインターフェース)の使いやすさやコストパフォーマンスの面でも優れており、非常に魅力的だと感じました。
- 野村
導入支援にパートナーとして、GWPをお選びいただいた理由をお聞かせください。
- 吉岡祥志
実務上の課題や苦労を迅速に理解し、共感していただけた点を最も心強く感じました。私たちは、以前にグループ全体向けのシステム構築を経験しており、システムは自分たちで組めると自負がありました。一方で、プロジェクトマネジメントや進捗管理に十分なリソースを割けない不安を抱えていました。
- 吉岡容子
以前構築した大規模システムの運用の難しさを野村さんによく理解していただけたことが印象的でした。加えてシステムごとのデータ構造や、仕様の違いに精通しており、人事労務の実務にも詳しかったため、データ移行に関して非常に心強いと感じました。
- 野村
ありがとうございます。我々は特定のベンダーに依存しない「ベンダーフリー」の立場をとっております。業務理解に加え、複数のシステムに関する幅広い知見を有している点も特徴の一つです。
- 吉岡祥志
さらに、万が一トラブルが発生した際の対応力も重視していました。過去の経験から、トラブルの発生は一定の確率で避けられないことを理解していたため、システムへの深い理解や迅速な対応力にはコストをかける価値があると考えていました。その点、GWPにはしっかりとしたサポート体制が整っており、強い安心感を持てました。また、提案までの期間が非常に短かったにもかかわらず、私たちにはない広い視野と高い実務力を兼ね備えた方々がいると感じ、最終的に依頼を決めました。

(カバヤ食品 吉岡祥志氏)- 野村
信頼していただき、大変嬉しく思います。今回は特に短期間での対応となりましたので、通常業務とプロジェクト対応を並行して進められていたお二人とご一緒するうえで、プロジェクトを確実に成功へ導くためには、全体の進捗状況を正確に把握することが不可欠だと考えておりました。そのため、事前のシステム設計と的確なプロジェクトマネジメントの徹底を心がけておりました。
支援効果
「これ、いいね!」を積み重ね、複雑な制度をスムーズに
- 大内
今回のシステム移行において、最も苦労された点や時間を費やした部分はどこでしたか。

(GWP 大内)- 吉岡祥志
基本設計やワークフロー作成の手順を事前に運用設計の段階で協議できたことで、新システムの構造が予測でき、限られた期間内で複数のモジュールを同時にリプレースすることができました。
工場における複雑な勤怠運用には苦労しましたが、現場管理者が操作しやすいように工夫を重ねて、対応することができました。- 吉岡容子
当社は給与設計も非常に細かく、通勤日割計算や支給要件が複雑な住宅補助など、多数の手当条件があり、大変苦労しました。
- 野村
最終的に、御社にご協力いただき、数百項目もある複雑な計算式や計算テーブルを組み入れて頂きました。
勤務年数や諸手当の付与条件、複雑な上限管理など、さまざまな給与支給要件を踏まえ詳細な設定を繰り返し、導入指導を経てさらに工夫され本番稼働に向け対応されていましたね。- 吉岡容子
年齢や手当、通勤費などの条件も想定以上に自動化でき、非常に満足しています。GWPには導入設計の段階から、各モジュールの計算式を一つひとつ丁寧に作成・整理していただき、詳細な資料もご用意いただきました。
さらに、導入指導においてもシステムの専門的な部分に関して不明点をフォローしてくださり、きめ細かく支援していただきました。こうしたサポートにより、当社としても安心して本導入を進めることができ、結果としてシステムを効果的に活用できています。- 野村
御社のシステム設計においては、運用設計の段階で給与計算システムだけをとっても、トリガーとなる区分設定が64種類、給与計算式および計算式テーブル設定が100種類以上、その他勤怠やワークフロー設定等についても複雑に管理する内容となり、すべての項目をパラメーターシートやシステムフロー図に落とし込み整理させていただきました。
長い歴史を持つ企業であるからこそ、入社年度年齢に応じて支給される手当が積み重なってきた背景があり、その複雑さを短期間で共に整理し、人事の基盤となるシステムとして、稼働まで一緒に導くことができたのは、システム知見はもちろん、貴社制度や企業文化を深く理解されているお二人と共に推進できたからだと感じています。

(GWP 野村)- 吉岡容子
以前のシステムでは実現できなかったことが新システムでは可能になり、機能を確認するたびに「これ、いいね」と感じておりました。実務に直結する改善が多く、日々の業務効率化に大いに役立っています。
また、GWPの野村さんがプロジェクトをマネジメントしてくださる中で進捗状況を整理・説明してくださり、報告会もスムーズに進行できました。課題についても常に拾い上げ、課題管理表で一元的に管理してくださったため、問題の取りこぼしがなく、大変助かりました。- 野村
共にプロジェクトを進行できたことをうれしく思います。現在、プロジェクト完了後の効果はいかがでしょうか。
- 吉岡容子
以前のシステムは税制等が変わる度にカスタマイズが必要でしたが、パッケージシステムを活用したことで、法定事項に関する個別設定作業が不要になり、業務効率が大幅に向上しています。年末調整対応の変化を実感できることも今から楽しみにしています。
- 吉岡祥志
国から支給される給付金の処理も、旧システムでは非常に手間がかかっていましたが、現行システムでは対応が格段に容易になりました。また、データ出力(管理資料)の作成が非常に簡単になった点も、大きな改善効果だと感じています。
今後の展望
- 大内
今後、人事領域やシステムに関して、どのような取り組みをお考えでしょうか。
- 吉岡祥志
まだシステム間の連携がまだ一部で実現できていません。今後は社員情報(マスターデータ)を軸に、財務会計システムなど他のシステムとのデータ連携を強化し、社内全体の業務効率化をさらに進めていきたいと考えています。
- 吉岡容子
タレントマネジメント領域では、これまでExcelで管理してきた評価履歴や自己申告データなどをより充実させ、HR領域におけるデータドリブン経営を推進したいと考えています。今回の刷新は、単なるシステム改革にとどまらず、人事・労務領域の組織変革を進める好機でもあると感じています。

(カバヤ食品 吉岡容子氏)- 野村
最後に、システム刷新を検討している他の会社様へアドバイスをお願いします。
- 吉岡容子
システムの入れ替えは、構築作業だけでなく、従業員への説明や社内調整なども含め、非常に負荷の高いプロジェクトです。構築の進捗管理や技術的な課題への助言、そしてプロジェクト全体を俯瞰できる役割を担う人がいることで、スムーズに進行できると思います。
- 吉岡祥志
今回のようなプロジェクトは、日々の業務における「ひと手間」を見直す絶好の機会でもあります。やむを得なかったとは言え自己反省を踏まえて、十分な準備期間を確保し時間的な余裕を持ってシステム選定と設計に取り組むことを強くお勧めします。
HRコンサルティング部 マネージャー 野村 美貴
本プロジェクトでは、GWPならではの機動力を活かし、単なるHRDXコンサルティングの範囲に留まらず、システム設計、導入支援、そしてシステムリプレースの全体マネジメントに至るまで、一貫してサポートさせていただき、お客様のニーズに対応することができたことを大変光栄に思います。
限られた期間の中で、いかに効率的かつ継続的に活用できるシステムを構築するかは、システムリプレースやDX推進の成否を大きく左右します。このような重要な局面において、お客様のパートナーとしてご支援できたことは、大きな責任を感じると同時にやりがいでもあります。
私どもGWPのHRサービス領域では、HRDX等のほかにも組織・人事戦略、人事制度構築、サクセッションプラン、人的資本経営支援といった分野で、多岐にわたるサービスを提供しております。
常にHRを取り巻く外的要因を把握し、お客様と共に課題を解決し、改善へと導くご支援ができれば幸いです。