さくらインターネット株式会社
[東証プライム:3778]
マネジメントテーマ
変化に耐えるのではなく、変化に応える管理基盤へ
さくらインターネット株式会社は【「やりたいこと」を「できる」に変える】を企業理念に、デジタルインフラサービスを提供しています。
案件概要
課題
- ・基幹システムの老朽化に伴うシステム刷新の必要性
- ・フルリモート環境に適した業務基盤の構築
実施サービス
- ・SaaS型会計システムの導入とデータ連携基盤の構築支援
効果
- ・経営環境の変化に柔軟に対応することを前提とした経営管理基盤の構築
- ・フルリモート環境に適した業務の標準化および定着化
お話しを伺った方
- さくらインターネット株式会社
執行役員 - 塚田 麻美子 様
- コーポレート本部 本部長
- 松本 将司 様
GWP
- 執行役員
- 加藤 智紀
ご担当者の声
依頼背景
静かに積み重なっていた、システムの不都合
- 加藤
本日はよろしくお願いします。今回のプロジェクトはリモートが主軸でしたので、こうして対面でお会いできるのは、なんだか新鮮な気持ちです。
- 松本
そうですね。プロジェクト期間中は画面越しが主でしたから、今日こうしてお会いできるのを楽しみにしていました。ただ、御社とは創業期のM&A支援や会計実務のサポートを含めると、長いお付き合いです。物理的な接触頻度にかかわらず、確かな土台があったからこそ、今回のような大規模プロジェクトでも、フルリモートでありながら阿吽の呼吸で進められたのだと感じています。
- 加藤
ありがとうございます。長年の信頼関係があったからこそ、物理的な距離を感じさせないスピード感で進められましたね。改めてそういった「どこからでも働ける環境」を踏まえながら、今回のシステム刷新プロジェクトに至った背景についてお聞かせいただきたいと思います。
- 塚田
元々、9〜10年ほど前に「さぶりこ」という働き方の制度を導入し、リモートワークの仕組み自体は存在していました。コロナ禍を機にリモートワークを前提とした働き方に移行し、今回のプロジェクトも東京、大阪など様々なエリアからメンバーが連携しながら共に推進していく必要がありました。
- 加藤
働き方が劇的に変化した一方で、システム環境にはどのような課題があったのでしょうか。
- 塚田
会計システムの保守期限切れが直接的な契機ではありましたが、本質的な課題はシステムの硬直性にありました。オンプレミス型かつスクラッチ(手組み)で開発されていたため、改修のたびにコストと期間を要していました。

- 松本
現場視点では、旧システムの独特なユーザーインターフェース(UI)が、新入社員のオンボーディングにおける障壁となっていました。また、長年の改修によりシステムが複雑化しており、特定の担当者でなければ挙動を把握できないという、属人化のリスクも抱えていました。
環境の変化を見据えた、ERPにこだわらないシステム構想
- 加藤
システム刷新にあたり、なにか方針はあったのでしょうか。
- 塚田
「Fit to Standard(標準機能に合わせる導入方式)」が絶対条件でした。加えて、製品面では特定のERPにすべてを委ねるのではなく、あえて会計は会計として専門性の高いパッケージを選び、それをデータ連携基盤で繋ぐ構成にこだわりました。
- 松本
GWPに「会計システムは会計に特化させ、他はAPIで繋ぐ」という思想でシステムの連携を提案してくれたことは、意思決定の際の良い助けになりました。またシステム選定の際にそういった「ポストモダンERP」の思想をもって開発された奉行VERPシリーズに出会えたことも決定を後押ししてくれました。
- 加藤
ありがとうございます。特定のERPに依存しすぎると、将来周辺システムを変えたい時に柔軟な対応が取れなくなります。「将来、周辺システムをどう変えても会計基盤は揺るがない」という拡張性を持たせることは、変化の激しいクラウド事業者である貴社にとって最適だと考え、ご提案いたしました。

多数の課題をともに乗り越え、「システム」と「会計」の溝を埋める
- 加藤
実際のプロジェクト進行で苦労された点や、弊社の動きで印象に残っていることはありますか。
- 松本
実務面で最大の障壁となったのは、既存システムとのデータ連携の検証です。旧システムでは会計と購買が密接に連携しており、そこから会計機能のみを切り出す難易度は極めて高いものでした。新システムでデータを検証した際、多数の課題が発生したことはよく覚えています。
- 加藤
担当者から本件について報告を受けたことを私もよく記憶しております。旧システムの計算ロジックが複雑化していたことが原因でしたが、GWPが一丸となり、粘り強く原因を究明し、一つひとつ解決策を講じていきました。
- 松本
そうですね、システム移行の過程でいただいたご提案はどれも業務やシステムの解像度が高く、非常に頼りになりました。GWPが「システム」と「会計」双方の専門性を有しているため、システムベンダーと経理現場の間に立ち、相互の言語を変換する「翻訳機能」を果たしてくださった点は大変心強かったです。
- 塚田
経理部門の要望をシステム用語に変換し、逆にベンダーからの技術的な仕様を経理部門が理解できる言葉で説明いただく。この「翻訳」と「交通整理」がなければ、要件定義により多くの時間を要していたかもしれません。
- 松本
もう1点印象的だったことは、プロジェクト初期、まだチームの足並みが揃っていなかった頃、加藤さんより「本当にこのプロジェクトを完遂させるつもりがありますか?今一度、全員の目線を一つにしませんか。」と覚悟を問うような力強い投げかけをいただいたのが非常に印象的でした。
- 加藤
あの時の進捗スピードのままだと新システムの稼働が遅れる危機感があったので、あえてストレートなコミュニケーションをさせていただきました。
- 塚田
外部のコンサルタントがそこまで踏み込んで発言することは稀ですが、社内の人間以上に真剣にプロジェクトの行く末を案じてくださったことに感銘を受けました。あの一言が、チーム全員の意識を変革する「スイッチ」になったのだと思います。
支援内容
多数の課題をともに乗り越え、「システム」と「会計」の溝を埋める
- 加藤
実際のプロジェクト進行で苦労された点や、弊社の動きで印象に残っていることはありますか。
- 松本
実務面で最大の障壁となったのは、既存システムとのデータ連携の検証です。旧システムでは会計と購買が密接に連携しており、そこから会計機能のみを切り出す難易度は極めて高いものでした。新システムでデータを検証した際、多数の課題が発生したことはよく覚えています。
- 加藤
担当者から本件について報告を受けたことを私もよく記憶しております。旧システムの計算ロジックが複雑化していたことが原因でしたが、GWPが一丸となり、粘り強く原因を究明し、一つひとつ解決策を講じていきました。
- 松本
そうですね、システム移行の過程でいただいたご提案はどれも業務やシステムの解像度が高く、非常に頼りになりました。GWPが「システム」と「会計」双方の専門性を有しているため、システムベンダーと経理現場の間に立ち、相互の言語を変換する「翻訳機能」を果たしてくださった点は大変心強かったです。
- 塚田
経理部門の要望をシステム用語に変換し、逆にベンダーからの技術的な仕様を経理部門が理解できる言葉で説明いただく。この「翻訳」と「交通整理」がなければ、要件定義により多くの時間を要していたかもしれません。
- 松本
もう1点印象的だったことは、プロジェクト初期、まだチームの足並みが揃っていなかった頃、加藤さんより「このプロジェクト、本当に完遂させるつもりがありますか?今一度、全員の目線を一つにしませんか」と、覚悟を問うような力強い投げかけをいただいたのが非常に印象的でした。

- 加藤
あの時の進捗スピードのままだと新システムの稼働が遅れる危機感があったので、あえてストレートなコミュニケーションをさせていただきました。
- 塚田
外部のコンサルタントがそこまで踏み込んで発言することは稀ですが、社内の人間以上に真剣にプロジェクトの行く末を案じてくださったことに感銘を受けました。あの一言が、チーム全員の意識を変革する「スイッチ」になったのだと思います。
プロジェクト終盤に問われた「何を優先するか」
- 加藤
プロジェクト終盤に通常業務の繁忙期が重なったことでメンバー負荷が高まり、稼働スケジュールの調整を検討した局面がありました。あの時の塚田さんのご決断は、我々にとっても印象深いものでした。
- 塚田
あの時は本当に悩みましたが、無理のないスケジュールに再調整すると決めました。 一部心配の声もありましたが、無理をして強行突破し、メンバーが倒れたり組織が壊れてしまったりしては、本末転倒です。「人を守り、続けられる組織運営」のために立ち止まる判断をしました。
- 加藤
あの夜、塚田さんと「このまま進むか、延期するか」を議論しました。その中で見えてきたのは、目先のシステム稼働を優先するのではなく、その先のシステム運用や持続可能な組織体制を見据えることを優先するという判断でしたね。
システムは導入して終わりではなく、活用し続けられる組織体制があってこそ真の価値を発揮します。
塚田さんのお考えは我々が考えていることと通じる部分があったからこそ迷いなく、即座に「今の状況なら3ヶ月あれば確実に成功できる」というリカバリープランを提示させていただきました。- 塚田
外部のコンサルタントの方が、社内の人間以上に真剣に「一度止める勇気を持とう」と言ってくれたことに驚きましたし、単なるアドバイス以上の熱量を感じました。また「絶対に7月には稼働できる」という根拠を示してくれたおかげで、私も自信を持って経営陣に「今回はスケジュール調整をさせてください」と言うことができました。結果として、チームの結束が固まり、7月の稼働は非常にスムーズなものとなりました。
重要な局面をともに支えてくれたGWPには、深い信頼を寄せています。
- 加藤
ありがとうございます。 無事にシステムが稼働できて我々も嬉しく思います。新しい業務フローでの運用が始まっていますが、定性面・定量面の両面でどのような変化や効果を感じていらっしゃいますか。
- 松本
定性面で最も大きかったのは、メンバーの「業務理解度」が向上したことです。 プロジェクトに参加した若手メンバーが言っていたのですが、以前はシステムの裏側の挙動が分からず漫然と処理していた部分がありました。しかし、今回の新システムへの移行にあたっては、自分たちの業務を深く理解し、再構成しなければ移行できませんでした。 結果として、「なぜこの業務をやっているのか」をメンバー自身が理解できるようになり、単なるシステム移行にとどまらず、人材育成や業務習熟の面でも非常に良い経験になったと感じています。
また、定量面では頻繁なエラーやダウンもなく、安定稼働しています。 以前は決算直前に購買領域と会計領域間で連携エラーが発生して慌てたこともありましたが、今は全くありません。また、誰であっても対応できるようになったことは大きいです。
今後の展望
- 塚田
今回のプロジェクト成功を足がかりに、現在は購買システムの刷新にも着手しています。また、経営からは常にバックオフィスの付加価値が問われます。今後はシステムやAIを活用してルーティン業務(非創造的な時間)を減らし、人間ならではの創造的な時間に再投資していきたいです。ゆくゆくは本プロジェクトや現在進行中のプロジェクトで得た基盤と時間を活かし、事業の急成長を支える強靭なコーポレート組織を構築することで、国産クラウドベンダーとしての責務を果たしていきたいと考えています。
- 加藤
まさに、時代に合わせた「創造的な組織」への進化ですね。
- 塚田
はい。今回のプロジェクトは、そのための大きな一歩です。今後もこの「しなやかな基盤」を最大限活用し、変化を恐れず挑戦し続ける組織を目指していきます。