世界34カ国のプロフェッショナルが体感した「日本の底力」とクロスボーダーM&Aの可能性

日本初開催となった「M&A Worldwide Tokyo Convention」。 世界34カ国からM&Aのプロフェッショナルが集結し、活発な議論が交わされました。 本記事は、M&A Worldwide(以下、MAWW)のチェアマンであるイェンス・モラー氏と、ホストを務めた当社グローウィン・パートナーズ(GWP)の田内による後日対談を記事化したものです。 コンベンションの振り返りを通じて見えてきた「日本市場のポテンシャル」や、GWPが提唱する「成長戦略としてのクロスボーダーM&A」、そして「PMIまでを見据えた専門性」について、お届けします。

案件概要

【対談】M&A Worldwide Tokyo Conventionを振り返って
お話しを伺った方
M&A Worldwide チェアマン / Cigno(デンマーク)創設者
Jens Møller(イェンス・モラー) 様
GWP
フィナンシャルアドバイザリー2部 部長
/ M&A Worldwide Japan 代表
田内 恒治

ご担当者の声

対談
コンベンションが示した「おもてなし」と心理的距離の縮まり
田内

Jens、まずは東京コンベンションへのご参加、そして多大なるサポートをありがとうございました。日本で初めての開催ということで、私たちGWPチームも約2年前から準備を進めてきました。無事に閉幕し、多くのメンバーから「過去最高の会議だった」という言葉をいただけたことに安堵しています。

 

Jens Møller(以下、Jens)

Koji、そしてGWPチームの皆さん、本当に素晴らしいコンベンションでした。これまでの経験の中でも、組織運営、コンテンツの質、そして何より「おもてなし(Hospitality)」において完璧な連携がなされていましたね。特に印象的だったのは、会議室での議論にとどまらず、日本の文化や精神性まで深く理解できるプログラムが組まれていたことです。

我々海外のメンバーにとって、日本市場は魅力的でありながら、言語や商習慣の壁が高く感じられる場所でもあります。しかし、日本メンバーによる講演やプログラムを通じて日本の精神性を学び、日本の文化や心を五感で理解できました。心理的な距離がぐっと縮まったと感じています。

田内

ありがとうございます。まさにそこが我々の狙いでした。初日の「APAC Meeting」から始まり、海外メンバーに日本企業の意思決定プロセスや法務的な特徴を理解してもらうセミナーを用意しました。日本企業とのM&Aを成功させるには、財務数値だけでなく、企業文化や背景にある想いを理解することが不可欠ですから。


(右端:GWP田内、前列右から2番目:Jens氏)

世界との接点がビジネス拡大の鍵
田内

セミナーといえば、GLOBIS Europeの高橋 亨(Toru Takahashi)氏の講演も非常に好評でしたね。

Jens

ええ、高橋氏が語った「志(Kokorozashi)」という概念は興味深かったですね。日本企業の意思決定の背景にある「社会的な使命」や「長期的な視点」を理解する良い手助けになりました。こうした文化的な背景を理解できたおかげで、その後の日本企業との対話もスムーズに進んだように感じます。

田内

そう言っていただけると嬉しいです。今回のコンベンションを通じて、Jensは日本市場の可能性をどのように感じられましたか?

Jens

率直に言って、「日本はもっと海外との接点を増やせば、ビジネスが拡大する余地がある」と確信しました。日本には素晴らしい技術や製品、そして強固な顧客基盤を持つ企業がたくさんありますが、ドメスティックな市場にとどまっているケースも少なくありません。
クロスボーダーM&Aは、単に会社を売り買いするだけでなく、技術や販路を交換し、互いの成長を加速させる手段です。その意味で、今回実施された「スピードミーティング」は象徴的でしたね。

田内

あのセッションは非常に熱気がありましたね。日本を代表する企業に参加いただき、通訳を介しながらも、具体的な海外展開のニーズや技術についてかなり深い議論が交わされました。日本企業側にとっても、わざわざ海外に行かずとも、東京にいながら世界34カ国の現地情報に精通したプロフェッショナルと一度に会える機会は極めて稀です。あそこから具体的な案件の種がいくつも生まれることを確信しました。
      

Jens

私の専門である農業・食品(Agri, Food & Beverages)の分野でも、日本企業の品質管理や製品開発力には高い関心が寄せられています。しかし、彼らが欧州や北米に進出する際、現地の商習慣やパートナー探しで躓くことが多いのも事実です。そこで我々MAWWの出番があるわけです。日本企業が殻を破り、グローバルなエコシステムに接続するための「プラグ」として、我々のネットワークをもっと活用してほしいですね。

M&A Worldwideの強み:形式ではない「実務的」な連携
田内

ここで改めて、MAWWというネットワークの特異性について触れたいと思います。世界には多くの会計事務所系や投資銀行系のネットワークがありますが、MAWWの最大の特徴はどこにあると考えますか?

Jens

一言で言えば、「形式的なネットワークではない」ということです。我々は年に2回、こうして顔を合わせ、信頼関係を築いています。
 
名簿に名前が載っているだけの関係ではありません。例えば、私がデンマークのクライアントから「日本の企業を買収したい」と相談を受けたとします。私はすぐにKojiに電話をし、Kojiは即座にGWPのリストから最適な候補をピックアップし、その企業の経営者にアクセスできる。このスピード感と実務的な連携力こそが最大の強みです。

田内

同感です。MAWWのメンバーは皆、独立系のブティックファームのオーナーであり、自身が起業家マインドを持っています。そのため決定が早く、話がスムーズです。また、Jensがリーダーを務めていた各国のメンバーが専門知識を持ち寄る「産業別グループ(Industry Groups)」の存在も、業界トレンドやニーズを共有する上で大きいですね。

成長戦略の立案からPMIまで。「三方良し」を実現する専門性
Jens

今回の開催を通じて、私はGWPというファームの実力を再認識しました。GWPは単なるM&Aの仲介業者ではなく、日本を代表する真のプロフェッショナル集団です。 特に感銘を受けたのは、M&Aを「ゴール(出口)」ではなく、「企業の成長戦略のスタート(入り口)」として捉えている点です。

M&Aアドバイザーの中には契約締結(クロージング)を最優先するケースがありますが、あなた方はその後の統合(PMI)までを見据えて動いていますね。

田内

ありがとうございます。我々がM&A支援において大切にしている「三方良し(売り手・買い手・従業員)」の精神があります。M&Aはあくまで資本政策の一つの手段であり、目的は「企業の成長」にあります。 そのため我々は、単なるマッチングにとどまらず、対象企業が持つポテンシャルを正しく評価してもらうためのストーリー構築「統合後に円滑なPMIが可能か」「対象企業の事業成長に本当につながるか」という観点から、PMIを見据えたマッチングと交渉戦略を非常に重視しています。


Jens

その「準備力」と「ストーリー構築力」は、言語や商習慣の壁があるクロスボーダー案件でこそ真価を発揮します。 そして何より、GWPには構想だけでなく実行まで伴走できる体制も魅力ですね。

例えばソーシング(案件発掘)からエグゼキューション(実行)はもちろん、会計・経理のBPRやDX、人事制度構築を行う専門部隊を抱えている点は、海外から見ても非常に頼もしい。
多くの日本企業は「買ったはいいが、どう管理していいかわからない」という悩みを抱えています。

クロスボーダーM&Aの最難関であるPMI(統合プロセス)において、財務や人事の実務面まで日本側でグリップしてくれるパートナーは稀有な存在です。

田内

そう言っていただけると光栄です。 実際に私が担当した株式会社トーエネック様の台湾企業との資本提携案件でも、現地の会計事務所と連携して財務デューデリジェンスを行い、異なるビジネススタンダードの壁を乗り越えて交渉をまとめ上げました。 単にマッチングするだけでなく、買収後のガバナンス構築や、日本本社への連結決算取り込みまで一気通貫で支援できるのが我々の強みです。


「経営参謀のプロフェッショナルチーム」として、ソーシング(案件発掘)からエグゼキューション(実行)、そして買収後のガバナンス構築といったPMIまで一気通貫で支援し、ディール後も企業価値を高め続けることこそが、我々の介在価値だと考えています。

未来へ:日本と世界の架け橋として
Jens

今回の東京コンベンションは、MAWWの歴史におけるマイルストーンとなりました。アジア太平洋地域(APAC)の重要性は今後ますます高まります。Koji、そしてGWPには、日本と世界をつなぐハブとしての役割を期待しています。

田内

もちろんです。日本企業は今、国内市場の成熟という課題に直面し、海外に活路を求めています。一方で、円安などを背景に、海外から日本企業への投資意欲も高まっています。私たちはMAWWという強力なプラットフォームを最大限に活用し、日本企業の「コーポレート・イノベーション」を加速させていきます。Jens、これからも欧州と日本、そして世界を股にかけた素晴らしいディールを一緒に創出していきましょう。

Jens

ええ、楽しみにしています。また世界のどこかで、そして近いうちにまた日本で会いましょう!


【解説:M&A Worldwide(MAWW)とは】中規模市場(ミッドマーケット)に特化した世界最大級のM&Aおよびコーポレート・ファイナンスのアドバイザリー・ネットワーク。1994年に設立され、現在世界34カ国・44のファームが加盟。約500名のプロフェッショナルが所属し、各国のローカルな知見とグローバルなネットワークを活かしたクロスボーダー案件の創出を行っている。日本ではグローウィン・パートナーズが代表メンバーを務める。

 

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