日本たばこ産業株式会社/株式会社JTビジネスコム

SCROLL

事業運営体制の統一化に伴う決算早期化の実現

2022年より日本市場を含むたばこ事業の本社機能がJTIの本社機能を有するジュネーブに統合されることが決定しました。JT、および グループのシェアードサービスを担うJTビジネスコムは、2024年からのグローバルシステム統合までの間、現行システムにおいて連結決算数値を迅速に経営マネジメントに報告する連結決算早期化の必要があり、そこで決算業務改革に強みをもつグローウィン・パートナーズ(以下、GWP)と協力して解決を目指しました。

案件概要

課題

グループ経営管理業務の効率化に向けた連結決算早期化の実現

実施サービス

国内グループ会社を含む単体決算・連結決算における業務プロセスの効率化、および新たな決算業務体制の構築
決算の早期化のためのグランドルールの設計・システム改作・運用テストの実施

効果

連結決算数値の確定までのスケジュールについて4営業日短縮
連結決算対応を四半期から月次に変更・定着

お話を伺った方

株式会社JTビジネスコム 
財務経理グループ 連結決算早期化プロジェクト プロジェクトマネージャー様
財務経理グループ 連結決算早期化プロジェクト プロジェクトリーダー様

ご担当者の声

依頼背景

人員が充足しない中での決算早期化の方針

JTグループにおける事業運営体制の効率化に向けた施策が発表され、基幹システムの統合等が実行される前に、日本国内の現行決算業務を海外グループ会社の決算スケジュールに合わせて一本化することが決定しました。元来、JTグループの決算スケジュールは、グループ規模を考慮すれば、効率的なスケジュールで決算業務を実行しているという認識であったため、3~4営業日決算を早めるだけでなく、かつ1年以内に実行・定着しなければならないとマネジメントから伝えられた際は、厳しい目標であると感じました。JTビジネスコムでは、決算スケジュールを遵守すべく、相当の作業時間を要しており、現行の決算業務を確実に実施した上で、新たな取組みを行うための人員について余剰はないという認識でした。

また、決算早期化に向けた解決策として、社内のプロジェクトメンバーだけで業務改革(BPR)を実施すれば、同じ業務意識が定着化している会社内では、意見集約に時間を要するため期限が設定されているプロジェクトにおいて実現性や実効性にリスクがあると認識していました。その結果、経理財務業務のプロフェッショナルである第三者から業務改革のあるべき姿や実行・実現プランを提案してもらい、一緒にプロジェクトを進めていくべきと考え、コンサルティング会社を利用する決断に至りました。

クライアントに最後まで寄り添ってプロジェクトに取組む姿勢

GWPをコンサルティング会社として選定した理由は、当社のプロジェクトメンバーに寄り添ってプロジェクトを進めることが可能なパートナーであると提案を受ける過程で認識できたことが第一の理由です。
JTビジネスコムには大手監査法人出身者である会計士も在籍しているため、当プロジェクトにおいても会計知識や監査対応といった専門性のみを選考基準として、コンサルティング会社を選定する予定はありませんでした。プロジェクトゴールに向けて、当社のプロジェクトメンバーに寄り添い、業務領域に限定せず、全ての関係者とともに様々な角度から課題解決に協力を得られるプロフェッショナルな対応が可能な会社を選ぶ予定でした。
プロジェクトがゴールを迎える最後まで当社に寄り添い続けてくれるコンサルティング会社であり、私たちの選択に間違いがなかったと現在は考えています。

支援結果

決算業務方針(グランドルール)の策定とグループ各社への周知徹底にGWPも同行

決算早期化をグループ全体で実現するために、計上基準を含めた細部にわたる業務方針や業務プロセスを、プロジェクトメンバーとGWPが一体となって策定しました。新たに策定した内容を通知するだけでは、実行性という観点で確実ではなく、実効性も担保されません。JTビジネスコムの関係部門のみならず、グループ各社にも周知徹底する必要があったため、個別に新たな業務方針や業務プロセスを詳細に伝える時間を作り、質問に対してもプロジェクトメンバーとGWPが適時適切に回答することで、グループ全体に着実かつ円滑に浸透するよう対応しました。方針や基準を言葉としての理解にとどまらず、実際の運用がイメージできるよう説明を実施したことが成果に繋がったと感じています。
また、「グランドルール」という形で業務遂行上の大方針を明確化しつつも、各社が経営上必要とする経理上の固有の既存方針については現状維持であることも合わせて明示して、変更範囲を可視化したこともグループ全体における徹底に繋がったと考えています。

毎週実施する定例会議において課題を徹底的議論することによりプロジェクト全体で目線を共有

プロジェクトを期限内に成功に導くため、毎週実施する定例会議において徹底的に課題を議論することで対応策を常にプロジェクトメンバー全体で合意・共有してきたことが成功要因の一つであると認識しています。当社のプロジェクトメンバーが喫緊の課題について対応することを提案しても、GWPがプロジェクトの進行状況から全体を俯瞰して、優先課題のコントロールを行うなどプロジェクトマネジメントを担当されたことが円滑な進行に寄与していたと考えています。
プロジェクト期間中で印象に残っているシーンは、会議冒頭に行っていたメンバー内での雑談を「御社のことを深く知る機会となります」と言われたことです。GWPの言葉を聞いて、当社の企業文化までも深く理解されてプロジェクトをご担当されていることを強く感じました。結果として、プロジェクトメンバー全体の会話量も自然と多くなり、GWPの皆さんとプロジェクトに関係のない雑談が自然に生まれる、本当に良い一体感のある関係を醸成できたと考えています。

決算早期化後の経理業務

プロジェクトが終了し、月次決算を含む2年の期間において大きな遅滞もなく円滑に業務が実行されました。関係各署からの問い合わせに対し、グランドルールというしっかりとした軸があったため、それが関係者の理解の向上、運用の定着に大きく貢献したと考えています。本番運用後の継続した関係者間でのコミュニケーションも、改善に大きく寄与しました。

2024年1月現在、たばこ事業の本社機能をグローバルで統一したシステムを用いて、業務運営体制の一本化を開始しています。本プロジェクトで実施した各種施策は、グローバルシステム移行時においても活用されており、グローバルで事業を行うJTグループとして、全体最適を目指した動きが推進されています。
GWPとは国内グループとしての業務効率化を共同で進めていけたので、今後のJTグループ、シェアードサービスである当社が対応するグローバルレベルのプロジェクトについても今後協力いただけることを期待しています。

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